2年から版画コースに分かれます。4版種を学び、選択することができます。
2年次では木版・銅版・リトグラフ・シルクスクリーンの4版種にくわえ写真製版法の基礎的技術を習得します。
3年次からは版種を選択して独自な表現を目指します。
イメージを再現することだけにこだわらず、積極的に素材に関わることでオリジナルなテーマを探り、それを表現するための技術を身につけます。
木版画(凸版)
日本は浮世絵に代表される水性木版が主流です。女子美の版画でもその技術を基礎において専門家用の道具で本格的な水性木版を学べる環境を整えています。
機械を使わずバレンで手刷りすることで様々な調子を出せるのも特徴です。
復刻版ですが、浮世絵「写楽」の役者絵の版木も所蔵しています。
銅版画(凹版)
銅版画はヨーロッパで生まれた印刷技法ですが、時代とともに様々な技法が開発されました。エングレービングやエッチング、アクワチント、メゾチントなどで、技法それぞれに特徴があります。銅版は、試し刷りをした後に版を削り修正出来ることも特徴です。出来るだけ早い段階で基本的技術を身に付けるようにしています。
リトグラフ(平版)
石版画とも呼ばれ水と油が反撥する原理を利用した版画技法です。石(現在はアルミ版)の表面に油性のクレヨンで描き、それ以外の部分には水が付くように製版して、水拭きしながら油性インクを盛ります。カラーのリトグラフは1色ごとに版を作り刷り重ねて制作します。学生は描画の自由さや色彩の表現に魅せられてリトグラフで制作しています。
シルクスクリーン(孔版)
女子美の版画では焼き付け製版法を主に用いています。枠に紗を張り感光液を塗布して原稿を焼き付けると、露光された部分の感光膜は固まり紗の目が塞がれます。紗の下にセットした紙にスキージでインクを押し出して絵柄を刷ります。一般では洋服のプリント柄やTシャツに用いられる印刷法です。
紙漉き
版画は紙に刷られることが多く、紙は作品の仕上がりに多大な影響を及ぼす素材です。版画制作において紙の知識は重要なものと考えています。女子美には紙を漉く施設があり、ベーシックな洋紙と和紙の製法や各自の表現に合うオリジナルな紙の制作・研究までおこなっています。さらに紙を漉くことが作品制作に直結するような技法も開発しています。