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2022

2021年度一般入試(A日程) 参考作品 (1,2の課題の参考作品となります)

静物画
1.鉛筆による下描き 1時間30分 B4ボード(画用紙)
2.油彩 5時間 F15号キャンバス(油彩画用)  2.鉛筆 5時間 F15号水張りパネル(鉛筆画用)  2.木炭 5時間 50×65cm木炭紙(木炭用)(2はいずれか選択)
3.学力試験
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問題:設置された静物を自由に描きなさい。
2022
(モチーフ)
1.洋裁用ボディ
2.クッション
3.花瓶、グラス、ストロー
4.レモン
5.雑貨など
—–
隣接する作品が同一受験者の作品になります(左作品が上記課題2、右作品が1となります)


下描きから花瓶に焦点を当てた構図を考え、油彩画でディテールを細かく描き、ハイライトや強い明暗の差を付けて鑑賞者の視線を引きつける作品に仕上げている。
素直な眼差しでモチーフを捉え、観察に基づいた筆致には確かな基礎力を感じる。ガラスの透明感、青いリボンとレモンの対比が作品に瑞々しさを与えている。


色彩、特に中間色の解釈が魅力的な作品である。画面の隅々まで意識が行き届き、一枚の絵画としての完成度が高い。
筆致や絵の具の扱いにも造形的な工夫がみられ、単色モチーフに色彩を与えることで画面全体に心地よいリズムが生まれている。
惰円などの形態感に若干の甘さはあるが、色彩表現や構成力が感じられる秀作である。


複数のモチーフが作り出す関係性のある形や空間を意識した構図は、輪郭とトーンをゆるやかに変化させながら全てのものに視点が移行するように構成されている。
その意識が見出す曲線とハーフトーンの描写は見えない裏側の表情まで想像させ、描くことと同時並行に起こる気付きと技術的な工夫などの技量の高さがうかがえる。


モチーフの第一印象を大切にし、下描きでは冬の朝の光という場の設定を意識して観察を始めている。
空間の動きと質感の差異を表現できる場面を選び取り、簡潔で安定した構図を作りだしている。
各モチーフの構造を理解し質感の描き分けも的確で、逆光を表現した柔らかなトーンによる陰影が美しい。
確かな描写力を感じられる。

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