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非常勤講師の岩熊力也先生の個展が9月30日より
第一生命南ギャラリーにて開催されます。
是非、ご高覧下さい。

岩熊力也|LAUNDRY|@第一生命南ギャラリー

岩熊力也展
第一生命南ギャラリー

〒100-8411
東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21 第一生命本館1F

2013年9月30日(月)~11月1日(金)
12:00~17:00
■休館日
土・日・祝日
■オープニングレセプション
2013年9月30日(月)17:00~19:00

http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/dsr/society/contribution/possess.html

作家コメント
LAUNDRYについて
LAUNDRYという作品はリネン(麻布)にアクリル絵具で描いた死者の肖像を水で洗い流し、ブラシで洗い落としていった作品である。そして最後には桃や桜などの枝葉、または柿渋などで草木染に染め上げる。
これら一連の行為は、死者たちの罪や穢れを水に流し、清められた魂を自然に還すという、この島国で培われてきた死生観をもとにしている。
変わりゆく21世紀の日本と変わらずにある日本。いま一度死者との関わり方について問うてみたい。
LAUNDRY
1945年、有史以来ほぼ同一の民族によって育まれ守られてきた私たちの文化や伝統は根元から断ち切られた。大地から養分を吸いあげられなくなった事で各地に伝わる祭や行事は急速に形骸化し今に至る。反日教育というのは何も中国や朝鮮だけのものではない。私たちもまた同様の教育を受けもう70年近く経つのだ。全ての文化の源であった先祖崇拝が破壊されることで、土地との繋がりは断たれ、コミュニティも崩壊し、ただ個人の幸せのみを願って働き続ける黄色い猿となった。ただ、他人に迷惑をかけず、礼儀正しく、嘘はつかず、謙虚であるという美点は破壊されずに残されたのが何よりの救いだ。
11月1日メキシコ、死者の日。若くして死んだものや身寄りのない魂が故郷に帰ってくる日。村人たちは村境の辻まで赴きそこにマリーゴールドで飾られたオフレンダ(祭壇)を作りあげる。花には魂たちが迷わず自分の村に帰ってくることができるようにとの願いが込められている。身寄りもなく当然墓もない魂たちはそうした村人たちの導きによって故郷に安まることができるのだ。そして日付が2日にかわる深夜、村人たちはそれぞれ自分の先祖の墓に赴き、やはりそこを花や果実やロウソクで飾り、そこで夜が明けるまで帰ってきた先祖の魂と共に過ごす。
1519年、コルテス率いるスペイン軍の上陸とともに徹底的に破壊つくされ征服されたメキシコ。それから500年、断ち切られることなくしっかりと大地に根は張っていた。
2012年師走、私は都内のとある小学校の廃墟内で発掘調査により出土した遺物の整理作業にあたっていた。遺物の多くには墓石や骨壷そして遺骨などが含まれていた。そんなものを掘りおこしたり破壊したりして大丈夫なのだろうかとの危惧もあったが怖さは感じなかった。
かつてこの国では捨て墓と祀り墓の両墓制であったという。遺体は人里離れた山林に埋葬されやがて誰のものともわからぬ状態で放置される。一方供養する為の中身が空っぽな墓は集落内に作られ代々祀られる。霊魂は肉体を離れ祖霊の仲間入りをする。姿形なく偏在する祖霊。この遺体への執着のなさは日本文化を考えるうえで一つの指標となろうか。
LAUNDRYという作品は描かれた犯罪被害者・加害者、行方不明者や身近な死者などの図像を水で洗い流して洗濯物のように洗濯バサミで干した作品である。昨年5月に父が突然死去し、死者との関わり方について思いふける日々のなかから生まれた。1969年東京。火炎瓶の煙の立ち昇る都市の中心で生をうけ育った私に先祖の扱い方など知る由もなく、またそこは両親の故郷でもなかったので先祖の墓は遥か遠くにあった。もちろん地域にコミュニティなどなく、若くして根無し草としての自分を自覚していたように思う。そのまま40数年もの時が経ってしまった。いまだにわからずにいるのだ、先祖とつながる道が、死者の魂と語らう作法が。ただ、ご先祖さまたちが常に私の人生を見つめている、という感覚は小さい頃から持ち続けていた。
絵画とは何か、絵画は鎮魂を行いえるか、絵画は今もこの国の死者と生者を繋ぎえるか。これらの問いに対して今の私にできるだけのことをしてみようと思った。死者の図像を消し去ってゆく作業にはどこか罪悪感みたいなものも付きまとったが、同時に法悦感も感じていたことをここに告白しておく。忘れかけていた感覚を取り戻しつつある悦びだったのかもしれない。私の中の日本はまだ死に絶えてはいない。
2013年
岩熊力也

【関連リンク_スタッフ紹介】http://mixed-color.com/staff




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